8月18日(日)~8月20日(火)までの3日間において、
南アルプスユネスコエコパーク登録地域内で、「南アルプス高山植物保護セミナー」を
今年も開催することできました!!
(台風の影響があり、開催できるかが不安視されていましたが予備日を使ってなんとか開催することができました。※当初の計画では17日~19日で開催予定)
平成25年(2013年)から続いている「南アルプス高山植物保護セミナー」ですが、令和となった今年(2019年)で7年目を迎えました。これまでに多くの市内高等学校山岳部、登山部の生徒が参加し、南アルプスユネスコエコパークの理念や自然保護の重要性への理解を深めてもらっています。
今年は静岡高校山岳部、静岡東高校登山部、静岡聖光学院高校山岳部の3校15人の生徒と3人の先生が参加しました!
7月には今回参加しない生徒たちも含めて事前学習会を行っています。
この高山植物保護セミナーでは、普段から山に行く機会が多い山岳部、登山部の生徒が「南アルプスユネスコエコパーク」の知識を身に付けたうえで、実際に現地へ足を運び様々な体験学習に取り組んでいます!
【7月に実施の事前学習会の様子】
ここからは、南アルプスの麓にある井川地区の散策や3000mを超える山々への登山など、様々な現地体験学習の様子を紹介していきます!!
【1日目】
朝早くから静岡市役所に集合し、3校一緒にバスで井川へ向かいます。
バスに揺られること2時間、南アルプスの麓にある静岡市最北の集落、井川地区に到着!
1日目の午前中は井川のまち歩きを行います。
学校ごとに3つのグループに分かれ、各グループには地元のまち歩きガイドが付いて、それぞれの学習ポイントで地元の人ならではの貴重なお話を伺いました。
井川湖渡船場をスタートし、廃線小路を進み、ちょっと怖い夢のつり橋を渡り長い階段を登りきると
そこには全長11mの存在感抜群の井川大仏が鎮座していました!!
井川大仏を後にし、今でも地元の小中学生達が使うという山の中の通学路を進んでいくと、
由緒ある龍泉院や井川で古くから信仰されているヤマイヌを祀ってある井川神社などがありました!
そしてお腹も空いてきた12時には1日目の昼食をとる南アルプスユネスコエコパーク井川ビジターセンターに到着です。ここでまち歩きガイドの3人とお別れです。
ガイドの皆さんとお別れした後に待っているのは昼食の時間です!
高校生やスタッフが待ちに待った1日目の昼食は・・・
井川の在来作物を使った超豪華「井川丼」!!
やまめの唐揚げと在来の野菜がのったどんぶりにそばが付いてくるボリューム満点の逸品です!!
さらにビジターセンターの昼食で凄いところは昼食を頼んだ人が利用できる
在来作物を使った野菜バイキング!!
これは本当におすすめですので是非ご利用ください。
みんなで仲良く昼食を食べます。
食後にはビジターセンターで合流した静岡大学増澤教授の当初は予定していなかった特別講義もありました!
井川という場所が南アルプスユネスコエコパークのなかでどういう位置付けなのか改めてご説明いただきました。
昼食後は特種東海フォレストのバスに乗り換え椹島へ向かいます。
1日目の宿泊地である椹島ロッジに到着してからは、増澤教授指導のもと周辺の植生観察を行いました・・・
しかし、山の天気は変わりやすく、屋外で活動中に雨が降ってきて、
止む様子もないことから残念ながら植生観察は断念。
だけど大丈夫です!椹島には雨の日でも南アルプスのことを学べる施設があります!
山岳写真を長きにわたって撮影し、南アルプスの啓発に多大な貢献をされた故白籏史朗氏の作品が展示してある南アルプス白籏史朗写真館を見学させていただきました。
また、写真館の研修室でも増澤教授による雨天時用の特別講義を実施していただきました!
この研修室には増澤教授が監修した南アルプスに関するパネルが掲示してあり、ここではこのパネルを使っての講義となりました。
講義終了後、夕食をとって1日目の行程は終わりです。
2日目も早いことから21時には消灯です。
【2日目】
2日目も行程が盛りだくさんなので6時には椹島ロッジを出発します。
ここからは2名の山岳ガイドもセミナーに加わります!
駒鳥池駐車場からは登山開始です!!
千枚小屋まであと少しです。
2日目の宿泊地である千枚小屋に到着です。管理人さんに挨拶をします。
休憩も早々に切り上げ、千枚岳を目指します。
およそ1時間で標高2880mの山頂に到着です。記念撮影を行います。
例年であればここまでで登山の行程は終了でしたが今年はひと味違います。
南アルプスのさらなる奥地へと向かいます。
それでも山岳部、登山部の皆さんは平気な様子。
途中の休憩ポイントである丸山付近ではなんと南アルプスユネスコエコパークのシンボルでもある
ライチョウに遭遇しました!!!!
ライチョウに会えるなんて今年の参加者の皆さんは幸運の持ち主です。しばらくライチョウの親子を観察した後、険しい道のりを経て本日の目的地悪沢岳に到着です。
ここ悪沢岳は標高3,141mの名峰です!
天気がよければ中岳方面も展望できたのですがあいにくの空模様。
勿論、記念撮影を行います!
記念撮影と休憩を終えたら下山です。
今回の参加者は本当に運がよかったのか、なんと帰り道にもライチョウに会えました。
また、他の動物ではニホンザルの群れにも遭遇しました!
こんな高山帯でニホンザルに遭遇するとは、とても衝撃的な場面でした!
そして千枚小屋に降りてもまだまだ学習は続きます!
本来なら屋外での活動を予定していましたが、1日目に続いて天候が悪化。
登山中に雨に降られなかったのは幸いです。
雨天時行程として用意していた千枚小屋内で、まずは静岡県自然保護課から南アルプスにおける高山植物保護の取組の紹介です。
これまでは静岡市の取組を紹介してきていたので、学生にとって新鮮だったようです。
その後は増澤教授に南アルプスの植生について、ご講義いただきました。
今回初の取組として山小屋までプロジェクターを持ち込みスライドを用いて説明。
これが大変好評で是非来年度以降も実施したい取組です。
登山に学習に盛りだくさんの2日目の行程も終了。
千枚小屋のおいしい夕食を食べて20時には消灯です。
【3日目】
3日間のこのセミナーもいよいよ最終日です。
昨日の曇り空とは打って変わって、美しい朝焼けと雲海が広がっていました!
日本一の標高を誇る富士山も綺麗に見えます。ここ千枚小屋から見る富士山の美しさは日本一と言っても過言ではないでしょう。
千枚小屋の別の場所からははっきりと赤石岳も見ることができました。
この場所は本当に贅沢な場所だと思います。
朝食を済ませ、朝焼けの山々を堪能した後は早速、学習開始です。
まず初めに千枚小屋周辺植生調査を行います。
宿泊地にしている千枚小屋ですが、標高2600mにあります。そのため周辺にはたくさんの高山植物が自生しており、これらの高山植物の植生調査を増澤教授指導のもと高校生たちが実施しました。
調査方法ですがブラウン・ブランケ法と呼ばれる一定の範囲を囲い、その中の植物を調べる方法で行います。今回は2カ所で調査を行いそれぞれの比較もしました。それぞれの植生状況が異なる点や一定の種が優占していることなど、様々なことが浮き彫りになったと思います。
植生調査を終えて小屋に戻る道中では、悪天候でできなかった植生観察も行いました!
次に防鹿柵維持管理体験を行います。
防鹿柵とは鹿による食害から高山植物を守るものですが、千枚小屋周辺にはその防鹿柵が設置されています。高校生たちには、防鹿柵の仕組みや設置方法、実際に設置されている防鹿柵の現状確認などを実施してもらいました!
今回の高山植物保護セミナーにガイドとして従事してくださっている櫻庭さんは6月に実際にこの千枚小屋周辺の防鹿柵の設置作業を行っていただいている方でもあります。
実際に作業をやられている方からレクチャーを受けるのはとても貴重なことですね。
千枚小屋周辺植生調査と防鹿柵維持管理体験の2つで3日目の体験学習は終了です。
体験学習終了後、平成30年度の高山植物保護セミナーで作成したポスターを千枚小屋管理人にお渡ししました!先輩が作ったポスターは千枚小屋に掲示され、登山客に高山植物保護の重要性を発信します!勿論、今回参加した高校生たちにも学校に帰ってから自分たちのポスターを作っていただきます。
ポスターを渡し終えたら下山開始です。
駒鳥池駐車場からは車両移動です。
椹島ロッジでセミナーの終了式を行います。
ここで増澤教授とガイドの2人とはお別れです。
椹島ロッジで昼食と入浴を済ませ、バスにて移動です。
行きと同じ長い道のりを経て静岡市役所に到着です。
ここで解散式を行います。
3日間にわたる高山植物保護セミナー本当にお疲れ様でした!
普段、インターネットや本などで情報を得ることはできても、実際に現地に足を運んで体験することはなかなかできないことです。
今回、この貴重な体験をした高校生には、是非学んだことを学校の友人や家族に伝えてほしいと思います。
また、これがきっかけで南アルプスの貴重な自然を守る、山に関わることに取り組む、そんな仲間が一人でも多く増えてくれたら幸いです。
静岡市内の山岳部、登山部の高校生が参加し実施している高山植物保護セミナーの事後学習会を開催しました!
長きにわたる今年度の高山植物保護セミナーもいよいよ最終回を迎えます。
3校の生徒が7月の事前学習会、8月の南アルプス現地体験学習で学んだ成果として、高山植物保護のために必要な対策や課題をまとめたポスターを発表しました!
講評は現地体験学習に同行していただいた静岡大学増澤教授に行っていただきました。
また、後半には南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの鵜飼氏に、南アルプスでの高山植物保護の取組についてご講義いただきました!
まずは高校生の発表の前に8月の現地での体験学習の振り返りを行います。
残念ながら現地体験学習に参加できなかった学生も今回の事後学習会には数多く参加してくれました。
また、現地に行ってから4カ月が経過しても、参加した学生はもちろん皆さん興味深々で聴いてくれました。
振り返りを済ませたらいよいよ高校生によるポスターの発表です!
最初に静岡高校による発表です。
最初の発表にもかかわらず、静岡高校の皆さんにはとても元気よく発表をしてくれました。
防鹿柵による高山植物の保護の効果を認めつつ、鹿の数を減らすという根本的な解決方法の必要性について言及してくれました。
このことは南アルプスだけでなく日本中で直面している問題ですので、自治体や地域などが連携して解決に向け取り組まなければいけませんね。
次に静岡東高校の発表です。静岡東高校は3校のうち最も参加者が多く、ポスターを2グループに分かれて作っていただきました!
まずは1グループ目の発表です。
こちらのグループはどうやったら南アルプスを楽しんでもらえるかという点に着目してポスターを作成してくれました。
南アルプスで見ることができる代表的な高山植物の紹介や、ライチョウやオコジョなどの動物の紹介、また、このセミナーの主題である高山植物保護についてを満遍なく記載しています。
このポスターを見れば初めて南アルプスを登る人でもより一層南アルプスを楽しむことができますね!
続いて静岡東高校の2グループ目の発表です。
静岡東高校2グループ目の皆さんは静岡高校と同様、防鹿柵に着目してポスターを作ってくれました。
ポスターの中では防鹿柵が設置してある場所とそうでない場所の比較がされており、防鹿柵の効果がよくわかる内容となっていました。
また、特徴的だったのは手書きの高山植物の絵です。とても綺麗に描かれており増澤教授も絶賛されていました。
最後に静岡聖光学院高校の発表です。
静岡聖光学院はユネスコエコパークという制度について、ポスターの中で紹介してくれました。
一般にあまり知られていないユネスコエコパークについてポスターにしてくれることはとてもありがたいことです。
このポスターがあれば南アルプスユネスコエコパークについてより多くの人たちに知ってもらうことができますね!
また、昨年に引き続き静岡聖光学院は学校の文化祭で高山植物保護セミナーでの体験を紹介してくれたそうです。
山岳部以外の学生にもこの取組が伝わり、より多くの人が南アルプスユネスコエコパークについて興味をもってくれたらと思うばかりです。
白熱したポスター発表の終了後は南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの鵜飼氏による講義に移ります。
鵜飼氏は南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの一員として長年にわたり南アルプスでの高山植物保護に携わっており、数多くの経験と知識をお持ちの方です。
現在までに蓄積された情報を惜しみなく高校生たちに発信していただきました。
今回、南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの取組を紹介いただいたことで、静岡市や静岡県などの官公庁だけでなく、様々な団体が南アルプスの保全に取り組んでいることを知り、そこにある自然環境の重要性が改めて伝わったかと思います。
この事後学習会をもって令和元年度の高山植物保護セミナーは終了となりました。
参加した3校の学生たちには、自分たちの地元である静岡市にはとても貴重な自然や文化があることが伝わったかと思います。
今後、彼らがこのセミナーを通じて学んだことを様々な場面で活かしていただきたいと思います。
そして、未来にわたって南アルプスの自然が受け継がれていくことを願っております。
高山植物保護セミナーに関わってくださった皆様ありがとうございました。
◆令和元年度高山植物保護セミナー現地体験学習の様子はこちら◆
「自然体験活動指導者育成講座Ⅱ」が開催されました!
「セミのぬけがら調べ2021」結果報告!!
しずまえ新ロゴマーク決定!市内の店舗でぜひ探してみてください!
あおいくんちゃんねる「おいしいお茶編vol1」が公開されました!
令和3年度 麻機遊水地第4工区カメ捕獲調査の結果
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令和3年度 麻機遊水地第3工区カメ捕獲調査の結果
令和3年5月16日(日)葵区足久保一丁目でオオキンケイギクの駆除活動を行いました!
草薙地区の散策マップ「みちくさなぎ」をご活用ください!
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