2019年12月17日
◆報告◆令和元年度高山植物保護セミナー事後学習会を開催しました!
静岡市内の山岳部、登山部の高校生が参加し実施している高山植物保護セミナーの事後学習会を開催しました!
長きにわたる今年度の高山植物保護セミナーもいよいよ最終回を迎えます。
3校の生徒が7月の事前学習会、8月の南アルプス現地体験学習で学んだ成果として、高山植物保護のために必要な対策や課題をまとめたポスターを発表しました!
講評は現地体験学習に同行していただいた静岡大学増澤教授に行っていただきました。
また、後半には南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの鵜飼氏に、南アルプスでの高山植物保護の取組についてご講義いただきました!
まずは高校生の発表の前に8月の現地での体験学習の振り返りを行います。
残念ながら現地体験学習に参加できなかった学生も今回の事後学習会には数多く参加してくれました。
また、現地に行ってから4カ月が経過しても、参加した学生はもちろん皆さん興味深々で聴いてくれました。
振り返りを済ませたらいよいよ高校生によるポスターの発表です!
最初に静岡高校による発表です。
最初の発表にもかかわらず、静岡高校の皆さんにはとても元気よく発表をしてくれました。
防鹿柵による高山植物の保護の効果を認めつつ、鹿の数を減らすという根本的な解決方法の必要性について言及してくれました。
このことは南アルプスだけでなく日本中で直面している問題ですので、自治体や地域などが連携して解決に向け取り組まなければいけませんね。
次に静岡東高校の発表です。静岡東高校は3校のうち最も参加者が多く、ポスターを2グループに分かれて作っていただきました!
まずは1グループ目の発表です。
こちらのグループはどうやったら南アルプスを楽しんでもらえるかという点に着目してポスターを作成してくれました。
南アルプスで見ることができる代表的な高山植物の紹介や、ライチョウやオコジョなどの動物の紹介、また、このセミナーの主題である高山植物保護についてを満遍なく記載しています。
このポスターを見れば初めて南アルプスを登る人でもより一層南アルプスを楽しむことができますね!
続いて静岡東高校の2グループ目の発表です。
静岡東高校2グループ目の皆さんは静岡高校と同様、防鹿柵に着目してポスターを作ってくれました。
ポスターの中では防鹿柵が設置してある場所とそうでない場所の比較がされており、防鹿柵の効果がよくわかる内容となっていました。
また、特徴的だったのは手書きの高山植物の絵です。とても綺麗に描かれており増澤教授も絶賛されていました。
最後に静岡聖光学院高校の発表です。
静岡聖光学院はユネスコエコパークという制度について、ポスターの中で紹介してくれました。
一般にあまり知られていないユネスコエコパークについてポスターにしてくれることはとてもありがたいことです。
このポスターがあれば南アルプスユネスコエコパークについてより多くの人たちに知ってもらうことができますね!
また、昨年に引き続き静岡聖光学院は学校の文化祭で高山植物保護セミナーでの体験を紹介してくれたそうです。
山岳部以外の学生にもこの取組が伝わり、より多くの人が南アルプスユネスコエコパークについて興味をもってくれたらと思うばかりです。
白熱したポスター発表の終了後は南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの鵜飼氏による講義に移ります。
鵜飼氏は南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの一員として長年にわたり南アルプスでの高山植物保護に携わっており、数多くの経験と知識をお持ちの方です。
現在までに蓄積された情報を惜しみなく高校生たちに発信していただきました。
今回、南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの取組を紹介いただいたことで、静岡市や静岡県などの官公庁だけでなく、様々な団体が南アルプスの保全に取り組んでいることを知り、そこにある自然環境の重要性が改めて伝わったかと思います。
この事後学習会をもって令和元年度の高山植物保護セミナーは終了となりました。
参加した3校の学生たちには、自分たちの地元である静岡市にはとても貴重な自然や文化があることが伝わったかと思います。
今後、彼らがこのセミナーを通じて学んだことを様々な場面で活かしていただきたいと思います。
そして、未来にわたって南アルプスの自然が受け継がれていくことを願っております。
高山植物保護セミナーに関わってくださった皆様ありがとうございました。
◆令和元年度高山植物保護セミナー現地体験学習の様子はこちら◆