◆開催報告◆ 生物多様性市民フォーラム②「外来生物について考えよう!」
~麻機遊水地の外来カメとペット遺棄問題について~

平成25年11月13日、静岡市生物多様性市民フォーラムの分科会が、静岡市役所清水庁舎で開催されました!

「静岡市生物多様性市民フォーラム」とは、生物多様性の保全に係る活動を実施している市民団体等の方を中心に、それぞれの目的や活動状況・課題等の共有や意見交換を行うための情報交換会として、平成24年度より開催しています。

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今回の分科会のテーマは、
「外来生物について考えよう! ~麻機遊水地の外来カメとペット遺棄問題について~」

麻機遊水地の保全活動を行っている方や、麻機遊水地でカメの調査を実施している静岡北中学校の生徒など、全部で17名の方にご参加いただきました☆


まずは、静岡大学大学院理学研究科学術研究員の加藤英明さまから、外来種問題や、麻機遊水地での外来カメの生息状況についてご紹介をいただきました。

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・外来種が、日本にもともと生息していた在来種に悪影響を与えていること
・外来種の中には、意図的に日本に持ち込まれた・自然に放たれたものがいるということ
・在来種の絶滅の要因の約40%は外来生物であるといわれていること
・在来種は、私たちが持ち込んでしまった外来種を自分の力で除いていけないこと

など、外来種対策の必要性についてご紹介をいただきました。


続いて、麻機遊水地を舞台に淡水カメの調査研究を実施している「学校法人静岡理工科大学・静岡北中学校」の生徒さんから、活動を紹介いただきました。
(静岡北中学校・高等学校は、将来の国際的な科学者・技術者の養成に力を入れている先進的な学校として文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール」に指定されています。麻機遊水地での淡水カメの調査研究は、スーパーサイエンスハイスクールの活動の一環として行われています。)

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・麻機遊水地でのカメ捕獲調査結果では、年々アカミミガメの割合が増えていること
・市民アンケートの結果で、カメを飼育したことがある人が3割近くいたこと
・飼育されていたカメの多くが身近な場所に放たれて(捨てられて)しまったこと

などを紹介いただきました。


その後は、グループごとに意見交換会です。
アイスブレイクとして、カメの絵やアライグマの絵をみんなで楽しんで練習したあと、意見交換会を行いました。

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テーマは、
「生きものを積極的に駆除していくこと」

活動団体の方々と中学校の生徒、行政担当者がグループごとに分かれ、テーマについて自由に意見を交わしました。

・持ち込んだのは「人間」。持ち込まれた生きもののせいではないのに駆除するのは「かわいそう」
・外来種そのものに罪があるわけではない
・自分の手では駆除したくない

といった意見もあれば、

・外来種により被害を被る在来種はもっとかわいそう
・生態系が取り返しのつかないような状況になる前に対策をする必要がある
・在来種への悪影響、人体・生命・農林漁業への被害があれば、駆除せざるを得ない
・そもそもの流入(輸入など)を抑えていくべき
・無責任な飼い主をつくらないよう、飼い始める前にペットショップなどで将来の個体の成長などを伝えるようにし、最後まで飼う覚悟を持たせるべき
・自分はやりたくないが、でも誰かがやらないと

などという意見も出ました。

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また、「駆除」=「殺す」だけではないのでは??という意見のもと、

・原産地に帰すことは可能なのか
・引き取り先をつくることはできないか
・食用利用など、有効活用の手段はあるのか

など、専門家の先生方にもいろいろと教えていただきながら、みんなで外来種問題・ペット遺棄問題について、あれこれ考えていきました。


静岡市の豊かな生物多様性を脅かす問題のひとつである「外来種問題」。
参加いただきました皆さまのご意見を参考に、これからの進め方を考えていきたいと思います!!

ご参加いただき、ありがとうございました☆

⇒ 平成25年度の静岡市生物多様性市民フォーラムについて(市ホームページ)

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