2013年8月27日
◆開催報告◆ 8月18~20日「南アルプス高山植物保護セミナー」その3
(ユネスコエコパーク登録推進事業)
平成25年8月18日~20日、オクシズ奥大井の最上部、南アルプスで高山植物保護セミナー(ユネスコエコパーク登録推進事業)を開催しました!
2泊3日のセミナーにご参加いただいたのは、清水東高校、静岡東高校、聖光学院の3校、学生16名と、顧問の先生方です。
貴重な自然の宝庫である「南アルプス」で問題になっているニホンジカによる高山植物の食害問題を中心に、南アルプスで起こっている自然環境の変化や、その保全に尽力しているボランティアの方々の活動を高校生たちに現場で体感していただきたい、という目的で開催した今回のセミナー。
高校生たちの活動の様子を、紹介させていただきます☆
開催2日目、見晴台の展望などを楽しみながら6時間の登山をして千枚小屋にたどり着いた高校生たち。
休憩時間を挟んで、いよいよ、防鹿柵の設置作業です!!
今回のターゲットは、千枚小屋裏のお花畑と、小屋周辺の水場付近のお花畑です。
小屋裏は延長約250m、水場付近は延長約150mの防鹿柵を設置します。
写真を見ると、きれいな花が並んでいるように見えると思いますが、残っているのは、毒があるトリカブト(紫色)や、食べにくいマルバダケブキ(黄色)など、シカが嫌いな植物ばかり。
人の気配がするためか、小屋周辺にはシシウド(白色)が残っていますが、こやから離れた場所では、シシウドの食害の様子が目立ちます。(写真左を見てください。小屋のまわり(写真奥)は白い花があるけれど、手前には白い花が見えません。)
(写真右は、シカに先端を食べられてしまったシシウド。(クリックすると拡大します。))
12:30より、防鹿柵設置作業が開始。
まずは、静岡県自然保護課の山﨑主任、市中山間地振興課の望月統括主幹の2人から、柵設置の説明&実演です。
柵の設置手順を紹介します☆(本当は、もう少し細かな作業があります。)
①支柱となる杭を2m間隔で打ち込む
②支柱の上に、約2mのポールを差し込む
③ポールの上部にネットを引っかけていく
④ネットの下を、アンカー(ペグ)で地面に打ち付ける
作業手順だけを見ると、「そんなに大変じゃなさそうじゃん」なんて思うかもしれませんが、
作業箇所は、立っているだけで疲れてしまうような急斜面。
そして、ところどころで強烈な存在感をアピールする「センジョウアザミ」。
鋭いトゲの上に転んでしまったときなどは、本当にブルーな気持ちになります。。。
そんな過酷な場所での設置作業ですが、参加した高校生たちは、とても熱心に作業を行ってくれました!
はじめは、他校の生徒に気を使っているような雰囲気もありましたが、作業が進むにつれ、役割分担ができたり、下の名前で声を掛け合ったりして、効率よく、和気あいあいと作業が行われていました☆
また、平成14年からこのような高山植物保護の取り組みを実施している「南アルプス高山植物ボランティアネットワーク」から、鳥本さん、海野さんも参加していただき、高校生に作業指導をしていただきました。
高校生は、ベテランの方々に指導を仰ぎながら、一生懸命作業をしてくれました☆
支柱を打ち終え、次は、ポールを被せる作業と、ネット張り、アンカーの打ち込みです。
3時間くらいで終わる、と高校生に案内してしまいましたが、申し訳ございませんでしたm(_ _)m
こんなに急傾斜だったとは。。。
結局、5時間もかかってしまいました。
文句も言わずやり遂げた高校生のみなさん、そして、セミナー参加者のために急きょ夕食時間を変更することになってしまった宿泊者のみなさん、本当に申し訳ございませんでした!そして、ありがとうございました!!
なんとか、日没までに作業を終えることができ、記念写真をパチリ☆
今日1日で作業を終えることができたので、最終日は、小屋から千枚岳山頂までの山頂アタック&絶景を楽しみたいと思います!!