2013年7月 8日
◆開催報告◆ 7月6日 麻機遊水地自然再生協議会「ヒメガマ除草実験」
平成25年7月6日(土)、巴川流域麻機遊水地自然再生協議会・自然公園部会さんが実施した「ヒメガマ除草実験」にお邪魔させていただきました!
ヒメガマは、沼や休耕田などの湿地に生える大型の多年草です。
茎の長さは1~2mになり、この時期、フランクフルトのような穂をつけます。
麻機遊水地では、昔はガマばかりでヒメガマは無かったそうなのですが、いつの間にか大繁殖し、今では湿地を埋め尽くしてしまおうとしています。
このままでは、自生しているハスと競合し、ハスが生息できなくなってしまう可能性もあるとのこと。
ヒメガマそのものは日本全国に分布する植物ですが、一番勢力の強いヒメガマだけの世界になってしまうと、今まで麻機遊水地に生息していた他の植物が追いやられて生息できなくなってしまい、生物多様性が衰えてしまいます。また、解放水面がなくなってしまうと、遊水地にやってくる鳥も住めなくなってしまいます。
そんなわけで、自生するハスの生息域確保のため、また、麻機遊水地がヒメガマだけの場所になってしまわないよう、今後のヒメガマの管理方法を検討するため、除草実験が行われました。
(ハスの花、今が見ごろですよ☆)
暑い日でしたが、地域の方々をはじめ、24人が集まりました!!
あいさつの後、まずはガマとヒメガマを見比べます。
静岡植物研究会さんにお持ちいただいた標本と、実物を使っての見学です。
下の写真、左がガマ、右がヒメガマです。
ガマは、静岡県下のほかの地域ではあまり見られなくなっているそうです。
ヒメガマは、多年草の植物なので、根ごと抜き取って駆除するのがベスト。
とはいえ、それは大変な重労働です。
今回は、ヒメガマが夏に蓄えた養分を水の中の根に保存し、春先に蓄えた養分で再び水の中から外に茎を伸ばす植物であることから、根の養分を使い切って外に顔を出した時期に水面より上を刈り取り、この夏に養分を蓄えさせないようにすることで勢力を抑えることができるのかを調査するため、「刈り取り」「抜き取り」「何もしない」という調査区を設け、来年の変化を見る実験を行いました。
こちらは、刈り取り作業の様子。
胴長(胸まである長靴)をはいて、鎌でヒメガマを刈り取っては、ボートに積んで陸に上げていきます。
深いところは腰まで水があり、動くのが大変でした。
気温も高く、ちょっとしたサウナスーツのようでしたが、みんなで励ましあいながら、和気あいあいと作業を進めます。
刈り取り作業のBefore、Afterです。
続いて、抜き取り作業です。
すんなり抜けるものもありますが、なかなか抜けない。。。
抜き取り駆除は、大変な作業だなあ、と改めて実感しました。
予想以上に大変な作業で、結局、時間内に調査区すべては抜き取ることができませんでしたが、それでも結構な量を抜き取りました。
はたして、来年どんな変化があるのでしょうか??
刈り取り作業で十分な効果が見られるといいなあ。
どんな結果になるのか、楽しみです☆