◆開催報告◆ 12月7日(金) 第2回静岡市生物多様性市民フォーラムが開催されました☆

平成24年12月7日(金)、第2回静岡市生物多様性市民フォーラムを開催しました☆

生物多様性市民フォーラムは、静岡市内で生物多様性の保全に関係する活動を実施している市民団体等の活動支援を目的とした活動団体間及び活動団体と行政との情報共有・意見交換を行う機会を設けるために平成24年度からスタートした取り組みです。

第2回となる今回は、約40人の市民の皆さんと生物多様性地域戦略の策定・運営に携わっていただいている専門家の先生4人(静岡大学理学部特任教授の増澤先生、静岡大学教育学部教授の小南先生、静岡大学農学部学術研究員の加藤先生、NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク副理事長の三宅先生)、市職員が集まり、静岡市が平成23年11月に策定した「静岡市生物多様性地域戦略」に掲げ、平成24年度から進めているリーディングプロジェクトを題材にワークショップ形式の意見交換会を開催しました。

リーディングプロジェクトの概要はこちら(PDFファイル、約6MB)

まずは、静岡市からリーディングプロジェクトを紹介しました。スライドを使った説明を聞きながら、参加者は事前に配られた付せんに、リーディングプロジェクトに対する質問や意見・提案、自分たちができること、などを記入します。

1つめのリーディングプロジェクトは、「南アルプス・井川エコパークプロジェクト」

静岡市を含む山梨・長野。静岡の3県10市町村で登録を目指している「ユネスコエコパーク」の概念に基づき、地域の自然と文化を守りながら地域社会の発展を目指す取り組みを紹介し、主要事業である「エコツーリズム推進事業」の体験プログラムやガイド育成の様子を紹介しました。

また、「南アルプスの高山植物保全」として、シカの食害から高山植物を守る取り組みを紹介しました。

2つめのリーディングプロジェクトは、「里地里山保全・再生、人づくりプロジェクト」

身近な自然「里山」で問題になっている竹の単一植生化について、ボランティア団体の里山整備活動の紹介や竹を使った製品や環境教育など竹の利活用方法を模索している団体の取り組み、放任竹林に対する市の支援状況などを紹介しました。

また、「環境学習リーダー育成事業」として、静岡市環境大学の講義風景や、麻機遊水地等での自然観察会による子どもへの環境学習の取り組みを紹介しました。

3つめのリーディングプロジェクトは、「生きものモニタリングプロジェクト」

静岡市の生きもの生息・生育状況調査の概要と、調査結果を基に作成する自然観察マップについて紹介し、マップを活用した自然観察会を継続して開催することで静岡市の自然環境の変化を調査するという、モニタリングの流れを紹介しました。

また、アライグマやカミツキガメ、オオキンケイギクなど、静岡市内で近年問題になっている特定外来生物について紹介し、外来生物に関する知識の普及啓発について紹介しました。

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リーディングプロジェクトの説明が終わり、いよいよ意見交換会がスタートです。

参加者が記入した付せんを3つのリーディングプロジェクトそれぞれのホワイトボードに貼っていき、自分が一番興味があったリーディングプロジェクトの会場に分かれ、意見交換を行いました。

「南アルプス・井川エコパークプロジェクト」の会場では、

●「井川を身近に感じる」から、「南アルプスを大切に感じる」へのステップアップ方法

●ガイドとなる人材の確保

●地域の活性化、地域にお金が落ちる仕組みづくり

などを議題に、皆さんと意見交換を行いました。

井川や南アルプスを身近に感じる方法としては、南アルプスを望むことができるビュースポット探しや、水の大切さを体感できる、ストーリー性のある体験プログラムづくり、井川にきていただき農作物を食べてもらうツアーの実施、などの提案がでました。

エコツーリズムについては、実施内容や募集方法、現地ガイドの育成方法などについて意見交換を行いました。定期的に人が集まる仕組み、雨天対策の重要性などの話がでました。

また、南アルプスの保全について、シカの食害対策やライチョウの現状などについて、増澤先生からお話しいただきました。

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「里地里山保全・再生、人づくりプロジェクト」の会場では、

●多くの市民に身近な自然環境に興味を持ってもらうためには?

●放任竹林(耕作放棄地)の対策について

などを議題に、皆さんと意見交換を行いました。

「里山を身近に感じてもらうには、ハイキングを含めた作業道の整備が必要」、「それぞれの地域の特性があり、それをキーワードに市民に興味を持ってもらう事が大切」、「環境学習の場としての里山整備や竹の利活用、有効活用により興味を持ってもらう」などの意見をいただきました。

また、放任竹林対策の方では、「地域の合意形成が必要」、「人づくりが今後の里山整備(放任竹林対策)を推進していく」、「里山にお金を落とす仕組みづくりができるかどうかがカギ」などの意見が出ました。

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「生きものモニタリングプロジェクト」の会場では、

●市民主体の現地調査(自然観察会)が継続して行われるためには?

●外来生物の問題を広く知ってもらうには?

●外来生物で困っている事例

などを議題に、皆さんと意見交換を行いました。

環境学習指導員など自然観察会を既に実施している人達との連携や、地域にいる自然が好きな人との連携、中学・高校のクラブ活動との連携など、自然観察会が継続して行われていくために必要な連携について意見をいただきました。また、静岡市が作成しようとしているマップについて、「歩きたくなる工夫と、その後の変化を学べるプログラムを開発して欲しい」、「マップを使った面白いプログラムを開発し、その実施と調査をセットにする」など、継続に不可欠な「面白い」、「楽しい」といった要素について意見交換を行いました。「マップで外来生物を紹介して、子どもに捕ってもらうようにしては?」など、外来生物の問題と絡めた意見などもいただきました。

外来生物の問題については、外来生物だけでなく遺伝子の異なる同種の侵入も問題となっていることについて専門家から説明があり、参加者からは、「静岡産でない生きもの放流しないよう注意するポスターを作成し、ペットショップやホームセンターなどの生きものを販売する場所に掲示しては」、「市がホームページ等で注意喚起の文書を掲載してくれれば、ペットを捨ててしまう人に対して注意できる後ろ盾になる」などの意見が出ました。

また、「子どもに対する教育が必要である」、「子どもに教育するために学校の先生に外来種問題を知ってもらう必要がある」など、教育現場との連携についても意見が出ました。

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静岡市は、いただきました意見等を参考に、今後の事業の方針を考えていきたいと思います。

師走のお忙しい中、市民フォーラムにご参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました☆

なお、このようなワークショップ形式の意見交換会を、市の事業や活動団体等の活動内容・課題等を題材に、平成25年度も開催していきたいと考えています。

当ホームページや、市広報紙等でご案内しますので、興味をお持ちいただけるテーマがございましたら、ぜひ、ご参加ください☆

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