夜空の明るさ調査

夏の夜空の明るさを等光線によって表わしました。(平成13年度静岡地域調査結果)

夏の夜空の明るさ-画像

<凡例>

表示 説明
星の明るさの等光線とその数値(単位は等/平方秒)。数値が小さいほど夜空が明るく星が見にくい。
調査地点
河川

--調査の目的と方法--

--調査結果--

☆☆☆☆☆静岡市自然環境マップ 夜空の明るさマップ☆☆☆☆☆

☆調査の目的について

 近年、都市部を中心に、街路灯やネオンサイン等の増大によって、夜空が明るくなってきています。
動物や植物は、自然の光によって行動したり、開花時期を調節することはよく知られています。夜間の過剰な屋外照明による強い人工光は、動物の行動や、植物の開花・結実をくるわせるなど、自然の生態系に悪影響を与えていると考えられます。さらに、夜間の屋外照明は安全確保や都市機能維持に不可欠ですが、必要以上の照明はエネルギーの浪費につながります。この調査は、静岡市の夜空がどのくらい明るくなっているかを、星の見え具合に注目して調査したものです。

☆調査の方法について

 調査方法は、環境省の全国星空継続観察の写真撮影調査に準じで実施しています。 その方法は、標準レンズ付きのカメラを、一定の条件下で夜空の同じ区画(今回は夏季ですので、"こと座のベガ"周辺)を写真撮影し、撮影後のポジ濃度を測定することにより、夜空の明るさを定量的に算出しています。 静岡市内に調査地点を17箇所設置して、2001年7月14日の22:00と24:00に夜空の明るさを調査しました。

○調査地点(地点番号・地点名)

1:駿府公園(児童会館周辺) 10:瀬名川公園付近
2:真富士の里付近 11:静岡大学
3:郷 島 12:静岡駅南
4:清沢小学校付近 13:大浜海岸
5:谷 津 14:久 能 山
6:北才光寺公園 15:羽島河川敷
7:麻機遊水池 16:東新田河川敷
8:静岡県立大学 17:狩野橋グラウンド
9:瀬名5丁目新幕公園付近 ---------

○夏の大三角形 こと座のべガ

夏の大三角-画像

☆☆☆☆☆静岡市自然環境マップ 夜空の明るさマップ☆☆☆☆☆

☆調査結果について

 調査結果の図は、人口の集中度が最も高い市街地を中心に、四方に向かって明るさが減少するような傾向を示しています。 これを、等光度線で結ぶと人口分布と密接な関連があることがうかがえます。 夜空の明るさは、社会活動の高低を示していたり、同時に、大気環境を示す指標のひとつです。

○時間毎の調査結果

<22:00調査の夜空の明るさ分布図について>

 JR静岡駅を中心とした市中心部は非常に明るく、16等/平方秒より明るい(15等/平方秒台の)地域となっています。 これは理想的な夜空の明るさとされている、22.5等/平方秒より400~900倍も明るく、その周辺にかけて、ほぼ同心円状に16等/平方秒~19等/平方秒と徐々に暗くなっていきます。安倍川沿川では郷島地区以北、藁科川沿川では羽鳥地区以西から、20等/平方秒を越える暗い夜空となっています。

<24:00調査の夜空の明るさ分布図について>

 22:00調査と同様に、JR静岡駅を中心として市中心部は明るく、ここから周辺に同心円状の分布を示していますが、全体的に22:00調査より暗くなっています。 特に22:00調査で15等/平方秒台であった市中心部は、17等/平方秒台と2時間で2等級暗くなっています。市街地周辺の地点も、暗いほうへ変化しています。このように人口が集中する市街地ほど、深夜になるにしたがい、暗くなる傾向が強くなります。逆に、郊外~山間部においては、22:00から24:00にかけての変化は比較的少なく、引き続き暗い夜空を維持しています。